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添乗員時代と土下座

人生で土下座をしたことがある人って、少ないんでしょうか。
僕は、二十歳の時に、仕事でやったことがあります。

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大学の観光学科を中退した20歳の頃、添乗員やってたんですよ。
その日は、桜島で灰が降りました。
お客様たちは、たっぷりと灰を浴びてました。
その日の、行程は、定時だったとしても、19時半ぐらいに南国の海辺の大型観光ホテルに到着し、そこからお客さん皆さん食事や入浴という、結構きつめのスケジュールだったんです。

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ということで、お客様たちの希望で、夕食より先に温泉に浸かりたいってことでした。
なので、途中のドライブインなどから、何度もホテルに、そのことを伝えていました。
その日の過密スケジュールで、お客さん(全員60歳から80歳ぐらい)もクタクタになってる頃に、ホテルにバスが到着しました。僕はバスの最前列の席でいびきをかきながら寝てましたけどね。

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フロントで、お客さんたちをお食事より先にお風呂に入ってもらうという電話で伝えていた旨を話しました。なんと、話が通ってなかったようなんです。「修学旅行の団体が2校、お風呂に入っていて21時までは大混雑になるので無理」っていう内容を伝えられました。僕も責任があるわけですから、怒るような感じになってしまい、支配人まで出てきてもらって、お客さんの前で説明してもらうことになりました。二十歳の僕が、55歳ぐらいに見える支配人に説教してるみたいな感じになってました。

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まずはじめに、お客さんに、なんて説明しようか、って悩みました。50名ぐらいのお客さんたちは広くて人の多いロビーに荷物を置いて、僕を待っており、お風呂へ行く気満々でした。
正直に話すしかないですから、申し訳ないっていう態度で正直に話しました。
観光地で話したりして仲良くなっていたお客さんたちも、僕以外に当たるところが無いので、皆さん、急に機嫌が悪くなり、僕への文句がひどくなりました。

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僕もどうすることも出来ませんので、たくさんの人であふれかえる場所で、最終的に土下座をして、二十歳の僕は一生懸命に謝罪しました。旅先で頼る人は近くに誰もいません。他の仕事でもそういうことはあるかもしれませんが、とにかく自分がしっかり仕事していて悪くなくても、謝らなければいけない場面はあるものです。その後は、「添乗員さんが悪いわけではないから、頭をあげてください」って言ってくれる優しい人もいました。

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こういう経験は辛いことに入るかもしれませんが、添乗員は本当に楽しいことばかりで、上司や添乗員仲間や先輩も素晴らしい人ばかりでした。
旅の団体のリーダー、それが添乗員です。お客様をどれだけ喜ばすことが出来るか。出来る限りミスを無くし、毎回たくさん起こりうるハプニング的なトラブルに、その場その場でどう対処するのか。二十歳の僕は、そんなことがとても楽しかったです。

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観光地の自由行動の時には、足の悪いおばあさんを、二時間ぐらいおぶって、札幌の街中を歩いたこともありました。もう、毎回毎回いろんなドラマがあって、いろんな出逢いがあって、いろんなトラブルがあって。ほとんどのお客さんは、その四泊や五泊のツアーを終えたら会うことのない人たちです。でも、ツアーの間、行動を共にすることで、お客さんたちと大きな絆が生れます。本当に人間は素晴らしい人たちばかりだなあ、って毎回思っていました。ホテルの人や航空乗務員の方や、空港のグランドホステスさんやお土産屋の人たちや、個性抜群のバスガイドさんや、バスドライバーさん、お食事処の人たち。美女ともたくさん出逢ったし、面白い人や優しい人にもたくさん会いました。

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若い時に、あんな経験を出来たことは、大きな大きな人生の財産になっています。僕が若造なのに雇ってくれた人、や紹介してくれた友人にも感謝しないといけないです。
パンデミックや戦争などで行動が規制されたり、社会が大きく変化していく過渡期だからこそ、そんなことをしみじみと感じています。

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https://mucome.net/work?id=90915(音源試聴可)
読んでくれてありがとうございます。
貴方の幸福を祈っています。
毎回ツアーが終わってお客さんたちとお別れする時、
ショパンの「別れの曲」が脳ミソで鳴り続けていました。

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